長塚 節の小説「土」の文章に春は空から土からかすかかに動くと書いてあります。春は春になりきった時より春になろうとする季節が美しいと感じます。自然のすべてに生命の始動が感ぜらるからでしょう。生き物も植物も生命の蓄積が抑えようにも抑えきれず鳥は奏で蝶は舞い、土から芽はふきつぼみはふくらみ美しい世界になります。冬と春、寒暖と春暖と混じり合いおぼろの春色に天地は春の光を浴びるのです。桜前線の到着が待ち遠しですね。
三寒と四温の摂理ありがたしいたわるごとく日脚伸びくる
春一番に背押されつつ配りゆく夕の紙面を飾る菜の花
目を閉じて野佛のごとく打たれたし物の芽起こす春の日の雨
春 繁
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